マニュアルづくりの「やってはいけない」
by 石田淳 2018年10月9日
ブログ, 石田淳 0
仕事で成果を出す優秀な社員は、
必ず成果に直接結びつく望ましい行動を取っています。
(これを専門的には「ピンポイント行動」といいます)
売上を上げる社員は、
売上を上げるための望ましい行動を、
事故をおこさず安全な作業を徹底できえいる社員は、
安全行動を定着、習慣化させているということです。
この望ましい行動を「誰もが取れるように」するためには、
マニュアル、チェックリストが欠かせません。
しかし、多くの会社(特に大企業)が、
このマニュアル、チェックリストづくりの際に、
大きな間違いを犯しています。
それは「現場の声を聞いていない」というものです。
支社や支店、工場などを持つ大企業では、
多くの場合、本社の専門部署が
マニュアル、チェックリストづくりを担当します。
ここで「本社」が考える「望ましい行動」「望ましくない行動」
「現場」に必要なそれらとの間に、齟齬が生まれます。
たとえば工場における「指さし呼称」などは、
本社では「できて当たり前」と考える。
だからマニュアルには「安全を意識する」などという
曖昧な項目しか設けられなくなってしまうかもしれません。
しかし、現場には「何をもって『安全を意識する』ことなのか?」
が浸透していません。
まずは「指さし呼称のやり方」から記さなければならないのに、
それをスルーしてしまう…。
上の例はいささか極端かもしれませんが、
このような「本社の認識」と「現場の事情」のズレは、
大なり小なり、多くの企業で問題となっています。
では、現場をよく観察して、
それでマニュアル、チェックリストを作成すればいいかというと…
実はここにも、「落とし穴」があります。
次回、さらに詳しくお話しさせていただきます。

石田淳
株式会社ウィルPMインターナショナル代表取締役社長兼最高経営責任者・社団法人組織行動セーフティマネジメント協会代表理事・ アメリカの行動分析学会 ABAI会員・日本行動分析学会会員・日本ペンクラブ会員 ・日経BP主催『課長塾』講師。 米国のビジネス界で大きな成果を上げる行動分析を基にしたマネジメント手法を日本人に適したものに独自の手法でアレンジ。「行動科学マネジメント」として確立。
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