マニュアル、チェックリストは、それらを「つくる側」と「使う側」の認識のズレに気をつけなければならない…

 

前回はそんなお話をしました。

 

大企業の「本社」がつくったマニュアルが、実際には作業の「現場」においては無意味なものだった、という例は、いくつもあります。

 

本社の考える「理想の働き方」を示し、押しつけるだけ…。これは最悪のかたちです。

 

では、真に現場に即したマニュアルを作成するために、「視察」「調査」として現場を細かく観察するとします。

実はこのとき、多くの企業がやりがちなミスがあります。

 

それは、ハイパフォーマー、つまり「優秀な社員」に、ヒアリングしてしまうというものです。

 

「ハイパフォーマーにはハイパフォーマーなりの『成果に結びつく行動』がある」

(これは行動科学マネジメントでは「ピンポイント行動」と呼ばれるものです)

 

「このピンポイント行動をマニュアルに加えることで、

誰もが同じように成果に結びつく行動ができる」

 

それは正しいのですが、では、ハイパフォーマーにとってその行動とは何か?

を本人にヒアリングしても、明確な答えは出てこないものです。

 

なぜか?

 

ハイパフォーマーは、自身のピンポイント行動を無意識のうちにとっていることが多いからです。

 

だから、ヒアリングをしても

「いやあ、別に特別なことはしていません。普通ですよ」

で終わってしまう。

 

また、自身のピンポイント行動を自分でわかっている場合も、

それを公開することには抵抗があります。

 

「自分は自分のやり方でうまくいっている。

 わざわざ他の人間にそのやり方を教える必要はない」

 

とくに成果が成績となり、収入に結びつく営業職などは、

この傾向が顕著です。

 

「できる人、うまくやっている人から、そのやり方を聞けばいい」

 

マニュアル、チェックリストづくりにおいては、このやり方はNGです。

 

つくり手側は、現場全体の動きをひたすら観察し、問題点、ピンポイント行動をあぶり出すしかありません。

愚直なようですが、これが真に成果を出すマニュアル、チェックリストづくりのもっとも近道なのです。